団鬼六『生きかた下手』 [書籍]
オール読物連載の団鬼六の自伝小説というか、回想録というか、そういう小説集。
団先生の小説を俺はあまり読んではいない。『真剣師小池重明』を読んだくらいだろうか、エロ以外は。どちらかと言えばあまり読まない作家ではある。しかし、団先生の人となりをわずかにでも知っていれば、その自伝が面白くないわけはなく、絶対に損はしない鉄板レースのような読書とわかるはずであり、どんな不精者であろうがひとつ読んでみようと思わないわけはないのである。
巻頭から「たこ八郎」と、「外国テレビドラマ翻訳仕事」と、「鬼プロダクション設立」の話である。いきなり「大穴」でしかも「鉄板」という八百長のようなエピソードである。
しかも、たこ八郎が『恐妻天国』(『原始家族フリントストーンズ』)の声優をやっていたという、しかもセリフが2行以上覚えられないから…本当は1行なんだけど…、怪獣の吠える声をやっていたという。なんだこ舞々(チョムチョム)は!面白すぎる!
団先生の波瀾万丈というか荒唐無稽というか滅茶苦茶な人生にぐいぐいと引き込まれてまたたく間に読み終えてしまった。2年ほど前の本だけど、どこの図書館にもあるはず。すぐに借りに行こう!
たこ八郎「たこでーす」収録。
たこチャンの話は『果たし合い』(幻冬舎アウトロー文庫)にも出てきますよ。
by 石川誠壱 (2006-09-23 22:22)
そうなんですか。チェックしてみます。
by ふこをさん (2006-09-24 00:24)