No.1666 Walt Disney Treasures: More Silly Symphonies [DVD]
ディズニーの短編アニメーションシリーズ「シリー・シンフォニー」のコレクション第二弾。2枚組に38本の短編を収録。
Disc１は1929年から1932年までの白黒作品を収録。ノーカットで今までなかなか観ることが出来なかった作品を見ることが出来る。しかし資料価値は高いが、すべてが面白いかと言うと決してそんなことはないと言っておこう。アブ・アイワークスの作品はゴムひも人間が踊る古いタイプのアニメーションだし（僕は大好きだが）、ウィルフレッド・ジャクソンや、バート・ジレットらの監督作もそれに追随するものであって大きく超えてはいない。また、ディズニーの欠点である音楽の貧弱さも作品の魅力を弱めている。
また、『The Spider And The Fly』や、『The Bear And Bees』などの作中に登場するヴィラン（蜘蛛や悪い熊）を集団（ハエや蜂）で懲らしめる勧善懲悪な作品で、ヴィランを懲らしめる具合がどうにも徹底的でギャグが無く、ともするとアメリカらしい私刑（リンチ）を連想させた。これは僕が親しんでいるワーナーのMerrie Melodiesでの同種作品がどちらかというとソフトでユーモラスだからかも知れない。
Disc2はカラー作品を16本収録。カラー作品は以前の作品集で主な物が収録済みであるためどちらかというと落ち穂拾い的な印象を受けるが、アカデミー賞受賞作品『三匹の親無し子猫』や、『リトル・ハイワサ』など名作も多数収録している。どちらもかわいらしくアニメーションも見事な作品だ。
1935年の『Cock O' The Walk』は、鳥たちのダンス部分のアニメーションが素晴らしく、ディズニーの地力を見た様に感じる。しかしストーリー的にはたいしたこと無い作品で、これもまたディズニーの地力だなぁと思ってしまうのは問題だ。いや、十分楽しめるんだけどね。
65000本限定で、35304本目。すごい数のように見えるが、全世界からファンが買うのでこの数は当然。これでシリー・シンフォニーはすべてDVD化＝ソフト化されたことになる。やれめでたい。
★★★★★
Disney Home Video
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